2008/11/08

Ry Cooder - Paris, Texas


Paris, Texas
Ry Cooder
1985






よせばいいのに、"Paris, Texas"を聞きながら家路をたどると、なんとも儚い気持ちになります。こんなご時世なので、もう少しアドレナリンがたぎるような選曲をすればいいものを、自分から『夜の闇』に入っていくようで・・・まぁいいかぁ。

84年の映画『パリ、テキサス』のサントラです。ライ・クーダー(Ry Cooder)がサウンド・エンジニアに没頭するきっかけとなった作品です。自虐的で切なく崩壊した夫婦の形を描いた作品で、乾いた砂漠に響くライのスライドが、映像をより無機質に変換して、超現実的な世界観を生み出しています。

メキシコ民謡である"A Cancion Mixteca"以外はライの作品、もしくは編曲です。
"Paris, Texas", "Brothers"のメロディの母胎は、"Dark Was the Night"です。そしてこの曲はライの1stアルバムの曲"Dark Is the Night"の焼き直しで、よりシャープな感じで録音し直された作品です。

"Dark Is the Night"の原曲はブラインド・ウイリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson)です。20世紀初頭に生まれ、幼い頃に盲目となった彼は、教会でゴスペルを歌いはじめました。青年になった頃にはギターを弾きながら歌っていましたが、ゴスペルよりも情感の強いブルースを歌っていました。彼はテキサスのペイリンの街角をブルースを弾きながら流していました。
伴侶に恵まれ、ダラスでコロンビアレコードと契約をしています。幸いなことに音源が残っており、現在はCD化もされています。
盲目ながらゴスペルという音楽的な基礎を持つ彼の楽曲は、メロディをシンプルにまとめ上げて印象付ける曲が多く、情感やリズムや指先の本能が先行する南部ブルースとは一線を置いています。また、盲目であるが故に演奏テクニックを芸当にして稼ぐ方法ができなかった分だけ、歌い上げる曲のメロディは心に沁みる旋律ではないかと思います。

アルバムにはジム・デッキソン(Jim Dickinson)、ディヴィッド・リンドレー(David Lindley )の2人も参加しています。

01 Paris, Texas
02 Brothers
03 Nothing Out There
04 A Cancion Mixteca
05 No Safety Zone
06 Houston in Two Seconds
07 She's Leaving the Bank
08 On the Couch
09 I Knew These People
10 Dark Was the Night

やっぱブルーになるなぁ・・・



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